ご好評いただいております、がん経験者(サバイバー)による連載コラム。
ご自身の体験談や、がんになって想うことなどを踏まえて早期発見(がん検診)の重要さや職場環境のあり方等をお伝えしています。
第2回目は乳がん経験者の柳田 真由美様です。
私は、広島市在住で55歳の大学職員。夫と2人で暮らしています。
12年前、入浴中に胸の触診をしたところ、右胸にしこりを見つけました。
翌日検査を受け、そのしこりはがんではありませんでしたが、ドクターがマンモグラフィーの画像から疑問を抱いたため、MRIを撮ることを勧められました。その結果、別の部位からステージ1の乳がんが発見されたのです。
2008年43歳、当時はホテルの管理職として多忙を極めており、これから入院、手術、治療がはじまる。上司にどう説明しよう?と、人生最大のパニックを起こしました。
ひと昔前の「がん」というと、「長期療養」「会社は退職」という社会通念がはびこっており、私は早く重い荷物を降ろしたいという思いから、20数年勤務した会社を退職したのです。
しかし、治療がひと段落すると体調は徐々に回復し、やっぱりまた働きたいと思い再就職活動を始めたのですが、40歳過ぎての就活は過酷そのもので、あのとき仕事を辞めなければよかった・・・と、いく度も後悔し、今でも未練があります。
がんは早期発見ならば完治する病です。
焦らず、投げやりにならず、病気というハンディに呑み込まれることなく、そのハンディを取り込み、歩んでいただけたらと願ってやみません。
「自分は大丈夫」は禁物です。
私は、がんは自然災害と似たところがあると思っています。
災害の被害を最少限にするためには”備え”が肝要。
がんも早期発見・早期治療なら最少限の対処ですみます。
そのための”備え”として、定期的な検診をお勧めいたします。